若草山の山焼き
奈良県奈良市
2008年1月13日
奈良の若草山は標高342m、3つの山が重なっていることから、三笠山とも言われています。 その若草山の山焼きの行事は、 山に火を入れ山全体を燃やしてしまうという古都奈良の新年を飾る炎の祭典です。 宝暦10年(1760年)に奈良の興福寺、東大寺、春日大社の領地争いが元で始まったのが起源と言われていますが定かではありません。 〜若草山山焼きガイド参照〜 〜goodtimeの追想〜 去年は強風に泣かされ現地に着いた時の延期の張り紙を見たときは衝撃的だった。 今年も開催日前夜の雨に開催されるか微妙だったが当日の天気は曇りになっていたので開催されると予想して出発した。 昨日までどのくらい雨が降ったか知らないが、当日雨が降ったり強風じゃなければ、 たとえ山が燃えなくても中止にはならないのが過去のデータ-からしてわかる。 終電は東尾道駅まで戻れないため車を会社に置いて福山駅から9時に出発。 順調に乗り継いで奈良駅に着いたのは13時50分。 奈良駅から14時02分発のバスに乗って撮影ポイントである平城京跡へ向かう。 今日1日雨は降ってないようだが若草山上空は雪雲がいるのか、薄っすら白いものが舞っているように見えた。 平城京跡の上空はどんよりとした薄気味の悪い大きな雲が浮かんでいる。 雲と雲の隙間から澄みきった青空が見えて日差しが射し込むと暖かいが 太陽が隠れると風がとても冷たかった。 1年ぶりに歩く平城京跡、相変わらず300人はいるであろうカメラマンの群れ・群れ・群れ・・・ いつもの最後列であるポイントに行ってみるとどこぞの団体が広範囲に場所取りしていたのには焦った。 去年は1週間延期だったせいか最後列は割とのんびりしており、 そのイメージがあったのでちょっと意外だった。 時間に余裕があるので近くのラーメン屋さんで暖を取った。 再び現場に戻り機材をセットして最終チェック。 待ち時間の間、カメラマン同士の会話を聞くのは結構楽しみの1つであり、 失敗談から成功の秘訣、撮影方法の会話があちらこちらから飛び交っていた。 殆どの人がフィルムかと思えば世の中、デジタルが急速に進んでおり、 同じ画像を重ねることで1枚の写真を完成させる方法もあるようで、 これだと好きな花火を組み合わせられるのでデジカメが羨ましい。 時間潰しに広い平城京跡を歩いていると、地面がビッショリ濡れているので昨日まで相当雨が降っていたと思われる。 ということは若草山も同じ条件だとすれば今年はまったく燃えない恐れがあり2年前の悪夢が蘇ってきそうだ。 雪が降りそうで降らない微妙な天気だったが、綺麗な夕暮れが朱雀門をシルエットにして幻想的な姿を見せてくれた。 17時50分、花火が打ち上がる。 相変わらず3キロ以上離れていれば音は微妙に届く程度で迫力はまったく無い。 単発、スターマイン、型物、10号玉など約200発の花火が打ち上がり、 6発上がる10号玉からまず1発を確保。 そしてフィナーレに向かうスターマイン。 去年はこのスターマインを入れなかったために単調な絵に仕上がってしまったので今年はしっかり入れておく。 山焼きの合図である号砲が打ち上がり奈良の都に鐘の音が鳴り響く。 山の麓から一直線に点火される炎の明かりが徐々に上っていく・・・はずなのだが? やはり山全体が湿っているせいかまったく燃えていない。 あちこちから「今年はダメだ!」という声が出始め、早くも撤収するカメラマンもいた。 結局、45分くらいまで粘るもののまったく燃える気配が無いどころか鎮火しているようだった。 バスの時刻に間に合わなくなるので50分までが限界。 燃える気配が無いので結局、ここで終了。 結果は見るまでも無さそうだがせめて花火が綺麗に写っていてくれればそれで良い。 18時56分のバスに乗り奈良駅へ向かい19時30分発の電車に乗って奈良を後にした。 この3年間、平城京跡で挑戦してみたが場所が広いので特にストレスやカメラマンとのトラブルも無く、撮影するには良い場所だった。 後日、撮影結果をチェックしてみると朱雀門、花火ともに良い感じに写っているが、 やはり山は2年前と同じ結果になってしまった。 しかし現状はこのように点火されて燃えているので現実に近いことから、 これはこれで成立しているのかもしれない。 |