写真館 二千年一夜
























































明地峠
鳥取県日野町
2007年11月10日

明地峠は、岡山県新見市と鳥取県日野郡日野町との県境となっている標高690mの峠。
後醍醐天皇が隠岐に流罪になる際、峠に差しかかった時、
ちょうど夜が明けたので「明地峠」と名付けられたという伝承がある。
展望台からは雄大な大山を望み、晩秋から冬にかけて早朝に雲海が現れることから雲海の名所として知られている。


〜goodtimeの追想〜

今年は紅葉の色付きが例年より1週間遅く、
そろそろ明地峠付近が綺麗に色付いていると予想して雲海を兼ねて撮影に出掛けた。
1時50分、家を出発。
家を出た時は12度と暖かかったがさすがに山奥に入ると気温は1桁台に下がっていく。
東城に入ると霧に包まれたが新見に入ると不思議と霧は無くなる。
新見から国道180号線を北上すれば鳥取県と岡山県の境である明地峠となり4時30分到着。
上空を見上げると驚くほどの綺麗な星空が広がっていた。
外の気温は3度で風も無いので雲海の発生条件は整っており、
この星空だと雲1つ無い朝を迎えられそうだ。

5時を廻ると外も明るくなるので撮影ポイントへ向かう。
大山は霞かかった感じではあるが悪くは無い。
明地峠は標高618mと意外と高い峠なので霧に包まれることは無いと思われる。
6時頃から撮影開始。
大山方向に太陽が上がらないので空はあまり赤く染まらないのが明地峠の難点でもあるが、
今日はほんの一瞬だけ大山の背景が赤く染まってくれたのは霞がかかっていたからだろうか。

もう1つ難点なのが、どうしても避けて通れない高圧線と鉄塔群。
高圧線が大山に向かって走るのが邪魔だと思いつつ、敢えて逆の発想で障害物を入れてみた。
棚田撮影の時も思ったが人工物を恐れていれば撮りたい構図が限られてしまうので、
ここは思い切って人工物を入れて撮影すると理想の構図に仕上がったりする。
無ければ無いに越したことは無いが、結果的には明地峠らしさが出た。
6時30分頃が日の出時刻だが回りの山々に隠れて、
7時30分頃になってようやく日差しが当たり出した。
日差しが当たると気温も上がり雲海が上昇して霧の動きが激しくなる。
まさに潮の満ち引きを感じさせられる瞬間であった。





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