写真館 二千年一夜




立江八幡宮煙火保存会











立江八幡宮煙火保存会









佐賀火工











佐賀火工










佐賀火工









相生吹筒煙火保存会









中山筒花火保存会









市山煙火商会









市山煙火商会









3尺玉(横構図)










3尺玉(縦構図)


国民文化祭・とくしま2007 花火の祭典
徳島県小松島市
2007年10月28日

国民文化祭は全国各地で国民一般の行っている各種の文化活動を全国的規模で発表し、
交流する場を提供することにより国民の文化活動への参加の機運を高め、
新しい芸術文化の創造を促すことを狙いとした祭典。
2007年は徳島県で開催され、徳島を代表する文化資源として
阿波藍、阿波人形浄瑠璃、阿波おどり、そして徳島がアジア初演の地であるベートーヴェンの第九を4大モチーフと位置付け、
これらをテーマにした事業を重点的に展開された。
また徳島県は西日本有数の花火の産地として、
小松島市内にある花火製造会社2社による約2000発の花火や3尺玉、
竹筒や杉材を用いた伝統花火が披露された。


〜goodtimeの追想〜

塩塚高原を下山して少し仮眠するつもりがいつしか意識は遠のき、暑さで目が覚めた時は11時になろうとしていた。
12時過ぎに市内に入ってお目当ての徳島ラーメンを食べた後、
ちょっと寄り道して小松島港に行ってみると、3尺玉の筒を乗せた台船が停泊していて驚いた。
残念ながら既に玉を仕込んだ後だったので作業風景を見ることが出来なかったが、
筒には大きな文字で市山煙火商会と書かれていた。

13時50分、臨時駐車場に到着。
会場である和田島緑地運動広場から歩いて15分ほど離れた広大な空地が臨時駐車場として用意されているが、
新聞によると3000台収容と書かれてあったので少しでも早めに出られるように出口附近に停車。
さすがに季節はずれの花火大会に14時では誰も来る人はおらず数台しか車は止まっていない。

会場附近の貯木場海岸沿いを歩いていると五段雷が打ち上がった。
海上花火だと思っていたが陸上からの打上げで三尺玉のみ海上から打ち上がる。
たった1発のために海上保安や台船レンタルなどかなりの労力やお金がかかっていると思われるが、
三尺玉打上を実現させた実行委員会は本当にお手柄だと思った。
貯木場から狙うのも悪く無いと思ったが、ここからでは伝統花火が見れないので、
伝統花火を撮影した後に、会場から出て撮影しようと考えていたが、
本部席でタイムスケジュールを見せてもらうと、伝統花火と打上花火が交互に上がるようになっている。
結局、海岸沿いからの撮影並びに観覧は禁止になったので、
自ずと場内での撮影を余儀なくされることとなった。

海岸沿いだと3尺玉の位置が確認出来たが、
場内からだと目視出来ないので勘と運と経験を頼りに撮影場所を決める。
広い会場内で特に何かをすることも無く時はのんびり過ぎていったが、
心地良い潮風が吹き抜ける中、ウトウトしているとどこからともなく音楽が流れてきた。
どうやら本番前に徳島県警音楽隊が練習をしており、
お蔭で退屈しない時間になった。

太陽が傾きかけると急に寒くなるのが今の季節。
日中の暑さに油断して薄着していたので上着を取りに駐車場まで戻る。
会場は空いているしあまり宣伝もしてないようなので、
臨時駐車場は3000台も埋まらないのではないかなと思ったが、
夜になってから続々と観覧客がやってきた。

それにしてもこの贅沢なプログラムを果たしてどのくらい理解して人がいるだろうか。
1枚の薄っぺらいプログラムには三尺玉はおろか奉納花火や打上業者の説明など一切書かれておらず、
あまりにも花火の祭典と題している割には不親切である。
三尺玉がどのくらい大きいのか?
徳島にはどんな奉納花火があるのか?
小松島にある製造花火業者の経歴や履歴など記載した豪華プログラムがあっても良さそうなものだが、
もしかして三尺玉の予算ですべてを使い果たしたのかもしれない。
プログラムが無くても事前に内容が把握出来ただけでも良かった。

19時00分、先ほどの警察隊による音楽演奏が始まり開会の挨拶。
そして19時20分、いよいよ花火の祭典が始まった。
まずは立江八幡宮煙火保存会が披露。
点火前の踊りがあったりして独特な雰囲気が漂う中、花火が点火。
1本ずつ噴出すような演出かと思いきや最初からナイアガラ、
一斉に吹筒から火の粉が吹き上げられ、火車まで廻り毎年行われている奉納花火とは違う、
まさに最初で最後の豪華な演出だったに違いない。
吹筒花火の煙で打ち上げ花火に支障が出ないか心配したが、
この時期ならではの良い風が煙を掃かせてくれた。
佐賀火工の打上はすっかりお馴染みで見慣れているが、時折見せる大玉に会場内も沸いた。

相生吹筒煙火保存会は杉材を使った「掘り抜き」と呼ばれる吹筒花火で
今まで見た竹筒と違い火の粉に柔らかさを感じた。
市山煙火の打上は佐賀火工のような派手さは無く落ち着いた玉を用意していた。
同じ阿波花火と呼ばれているがこうも対照的だと阿波花火と呼ぶにはちょっと疑問を抱いてしまうが、
お互い個性ある花火屋さんなのでこれが阿波花火!というのは難しいかもしれない。
中山筒花火保存会はオーソドックスな吹筒と言った感じだが日にちに拘らず、
大晦日のカウントダウンなど吹筒を披露しているらしい。

予定より10分以上も押したがいよいよ三尺玉の打上。
アナウンスが終わるとしばしの沈黙が続く。
いつまで経っても上がらないので会場内からは少しざわめきが起きたその時、発射音が響く。
昇り小花が想像していた以上に高く上がっていき、見事な小割浮模様の冠菊が大きく夜空に広がった。
三尺玉が見事に開花して大きなどよめきと歓声があったが、想像していた以上に小さく感じたのか、
大歓声という訳でもなく、保安距離の関係があるので無理も無い。
花火の祭典も三尺玉が終われば後は終盤に向けてラストスパート。
3団体による伝統花火の競演、そして佐賀火工と市山煙火によるフィナーレ・スターマインで大いに盛り上がった。
約2000発の花火が打ち上がったが、決して打ち上げ数だけでは伝わらない、
もしかしたらもう二度と実現しないであろう最初で最後の豪華プログラムな花火の祭典だった。

機材を片付けて急いで駐車場に戻り小松島を脱出するつもりだったが、
三尺玉が終わってから席を立つ人が多く、祭典が終わった頃には既に渋滞となっていた。
3000台の車が一方通行の道に集中していることを知っていたので急いで帰る気力を失ってしまい
いつ渋滞が解消されるかわからないので、体力温存のために仮眠を取った。
ここに来て疲れが一気に襲ってきたのか2時間も仮眠を取ってしまい気付けば23時。
さすがに渋滞は解消され大駐車場も来た時と同じく広大な空き地状態となっていた。





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