写真館 二千年一夜
















動乱蜂
福岡県久留米市
2007年9月15日

動乱蜂は1648年、久留米藩の砲術指南役が住民に花火の製法を伝えたのが始まりとされ、
王子山若宮八幡宮の神事として毎年9月15日に厄除け、五穀豊穣を祈り奉納されていた。
王子池北側斜面に、青竹を使って5段積みのやぐらが据えられ、組まれた発揚台に配置された仕掛けに、
対岸100m程の位置から火矢が飛び点火されると、
大きな轟音とともに約150本の筒から火花が飛び散っていき、
四方八方に飛び散る様子が巣をつつかれて騒ぐ蜂の姿に似ていることから動乱蜂と名付けられた。


〜goodtimeの追想〜

16時00分、動乱蜂会場の臨時駐車場となっている山川小学校に到着。
しかしまだグラウンドは開いておらず、
どうやら小学生がサッカーの試合をしていて開場が遅れているらしい。
程無くして車を止め会場である王子若宮八幡宮へ向かう。
僅か4件ほどの露店が出ている素朴なお祭りの雰囲気がどことなく懐かしさを感じさせられるが、
この後、どれほどの混雑になるのかは予想がつかない。
近くでは同日開催の花火大会があるのできっと二分されるに違いない。

神社の裏山にある池が動乱蜂の会場となっていた。
池の周りには仕掛がいくつも用意されており一際大きく怪しげな物体が動乱蜂のようだ。
思ったより狭い会場に電線が走っているので撮影場所は思いのほかここという場所は無く、
最前列は先客がシートを敷いており、開けた場所は優待席となっている。
幸い早く訪れた甲斐あって何箇所か目星を付けて現地調査開始。
何分初めてのことで、まして通常の花火大会ではないのでどこでどういう風に撮れば良いのか、
関係者の人に話を聞いてイメージを膨らますがまったくわからず、
そうこうしている内に雷が鳴り響き、雨雲は会場を直撃した。
ただの通り雨だとわかっていても、準備していた仕掛け花火が点火されるかが心配で、
他所の花火大会でも夕立にやられて仕掛け花火が点火しなかったことがあった。

30分くらいで雨は止み、仕掛けはビニールシートを被せていたので大丈夫とのこと。
雨雲も去って辺りが少しづつ暗くなると星が見えるほど天気は回復。
雨が降ったせいか客足は速く無かったが、
それでも奉納時刻が近づくと狭い会場に多くの人達が集まっていた。
19時30分、奉納花火が始まる。
プログラムは1から7まであり子供動乱蜂と動乱蜂以外は、
型物、ナイアガラ、大富士、金魚花火などの仕掛花火が披露。
仕掛と仕掛の間に単発の花火が打ち上がることを予想していたが裏打ちの小型煙火のみ。
動乱蜂の本番に備えて子供動乱蜂で予行練習するつもりだったが、
花雷の地爆のみで蜂は飛び出さず、これが本来の子供動乱蜂なのかはわからない。
20時10分、いよいよ動乱蜂の点火。
子供動乱蜂異常に凄まじい爆音と閃光。
迫力はあるがあっという間に煙で充満される中、和火色の蜂が無数に飛び出していった。
昔の人はこの火花を浴びることで縁起が良いと言われていたらしいが、
動乱蜂を見ることが出来ただけでも何か良いことがありそうな気がする。
絞りやタイミングなど思うような撮影は出来なかったが、まじかで見れただけでも良かった。
境内を出るとどこからとなく花火の音が聴こえてきた。
2キロほど離れたお祭りの花火大会が行われており、
動乱蜂では打上花火が無かったので遠い場所から楽しませてもらった。

ちなみに翌日撮影予定していた花火大会は雨天のため順延。
車の窓も開いたまま閉まらず雨の中、悲惨な思いをすることになり、
動乱蜂を見るだけでは良いことは起きないのだとわかった(苦笑)





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