写真館 二千年一夜


























竹の棚田
福岡県宝珠山村
2007年9月15日

竹地区の棚田は、標高差160mの急斜面、約11haの中に約400枚の棚田と24戸の集落があり、
古くは室町時代に形成されたと云われている。
5月末の田植えから頭垂れる稲穂の9月まで1年を通じて美しい棚田の風景を見ることが出来る。
また6月上旬には田植えを終えた棚田に、約1,200本の手づくりトーチを灯す火祭りイベントが行われる。
形状・連続性・保存状態などがいずれも際立っていることから、
平成11年に農林水産省認定「日本棚田百選」、平成19年に「美しい日本の歴史的風土」にも選ばれている。
現在、この棚田を保全するため竹地区住民が「棚田保全委員会」を組織し、
棚田を利用した田植え、稲刈り体験を行うなど、
体験交流を通して棚田の持つ役割を学んでもらう活動に取り組んでいる。 


〜goodtimeの追想〜

9月15日土曜日に久留米で行われる動乱蜂を撮影するため福岡・大分の滝、棚田撮影の計画を立てた。
しかしせっかくの3連休なのにも関わらず生憎の雨模様に果たして動乱蜂は行われるのか?
青空の元での棚田撮影は最悪断念するか、そんな思いで0時00分出発。
当初早く出発する予定だったが天気が悪ければ早朝到着の必要も無いので高速も使わずのんびり下道を走ることにした。

国道322号線を南下して田川市手前で県道52号線を南下。
曇りがちだった朝の天気も南下するにつれて日差しが射してきた。
午前中は晴れるかも・・・そんな期待に最初の目的地を甘木町ではなく宝珠山に変更。
ひたすら県道52号線を南下して国道500号線と合流。
思ったほど道も狭くなく走りやすい道だったので日田を目指すならこのルートも悪く無い。
福岡・大分県境の棚田巡りは去年の5月に行っているので記憶を辿りながら現地に向かう。
国道211号線を南下して宝珠山村の中心部から再び県道52号線が現われる。
国道500号線から県道52号線を南下しても行けないことは無いが、
狭い峠超えは怖いし時間もかかるので宝珠山まで南下してから北上するコースを選んで見た。
7時25分、思いのほか早く竹の棚田に到着。
小倉南ICから1時間30分の移動時間だったのは思わぬ収穫だった。

去年の5月末に竹地区に訪れた時は、まだ田植えは疎か代掻きすら始まっていなかったので、
時期的には稲刈りはまだ行われていないと予想して訪れてみた。
前回の現地調査を思い出しながら好みの場所を探して撮影開始。
既に稲刈りを済ませているところもあれば、
まだ残している田もあり、一面黄金色という訳ではなかったが、
それはそれでアクセントとなって良いかもしれない。
一部、稲架掛けをしているところもあったが山の陰に隠れてタイミングが悪かった。
ここの棚田は休耕田が少なくて美しい棚田という印象があったが収穫時の今、改めて美しさを感じた。
ただ棚田の中に民家があるためどうしても電線などの人工物は避けられないので、
広角レンズを使って人工物は目立たなく、且つ棚田をダイナミックに入れる構図を描いてみた。
雲の多い空も次第に青空が広がり、早朝の日差しを期待していなかっただけに思わぬ収穫で眠気も疲れも飛んで、
9月中旬でも一汗掻きながら撮影を楽しんだ。
筑前岩屋駅にコスモスが咲いていた。
電車と絡めて撮影しようと思ったら次の電車は1時間後。
近くにめがね橋があり鉄道撮影するのも面白そうだが、それは次の機会ということで。





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