写真館 二千年一夜
















余部鉄橋
兵庫県香住町
2007年8月18日

JR山陰本線鎧駅と餘部駅の間にかかる高さ41.5m、長さ310.7mの鉄橋で、
11基の橋脚、23連の橋桁を持つ鋼製トレッスル橋である。
土木学会による技術評価では近代土木遺産のAランクに指定され、
この種の鉄橋では日本一の規模を誇っていた。
その独特な構造と鮮やかな朱色がもたらす風景は、
鉄道ファンのみならず山陰地方を訪れる観光客にも人気があり、架け替え工事が始まる頃には、
大勢の鉄道ファンや観光客が押し寄せた。
1912年から2010年7月16日まで運用。
2007年3月からエクストラドーズドPC橋による架け替え工事により、
旧余部鉄橋は、殆どが解体撤去され残された3本の橋脚等は今後展望施設などとして整備が計画されている。



〜goodtimeの追想〜

今日も花火撮影を予定していたが、
今回最後の余部鉄橋のライトアップが行われるので予定を変更して撮影に向かった。
特別な列車が走る訳でもないので大して混んでないだろうと思いきや臨時駐車場はどこも満車で
新聞で試験点灯の記事は載っていたが、まさかこれほどまでにカメラマンや観光客が来ているとは想定外だった。

今年の5月に好んで良く撮影していた田んぼ前景ポイントには多くのカメラマンがいたが、
ここは暗くなると民家がシルエットとなり鉄橋半分が消えてしまう。
日中は喉かな民家や田んぼが引き立て役となるが夜ではただの黒の世界になっていた。
そうとなれば鉄橋が少しでも見える場所に移動しなければならないので小高い位置から狙うことにした。
自然の力とは凄いもので5月は普通の砂利道もたった数ヶ月ですっかり草茫々の荒れた道。
たった僅かな山道でも真っ暗闇では熊か猪が出るのでは?と恐怖を感じる。
大丈夫、今日は賑やかだから里に獣は降りてこないだろう。
小高い所から見る余部鉄橋はまるで銀河鉄道かの如く綺麗に浮かび上がっており、
19時53分の普通便のシャッターを切った。

去年も実はライトアップが行われいたようで、
山側からの点灯だったらしいが今年は海側からの点灯ということで海岸側にたくさん人が集まっていた。
山側から狙いたい場所もあったが離れれば離れるほど照明が暗くて目立たない。
20時台の2便は餘部駅を降りた山側から自分好みの場所から撮影。
そして最後に特急はまかぜをどこで狙うか撮影場所を探していた。
お立ち台と呼ばれる場所では少し出ている漁り火と絡めて狙うのも悪く無いが、
鉄橋と漁り火の露出があまりにも違いすぎるので撮影向きではない。
漁港は正面となり平凡な絵となりおまけに波が高くて油断していると潮の餌食にされてしまう。
21時45分通過と時間に余裕があったがあっという間に時間は経ち次第に焦りが見え始めた。
最後のチャンスなら失敗は許されず確実に1枚でも良い結果を残すため再び山道から狙うことにした。

ライトが消灯したのは22時。
上空の星と日本海の漁り火が妙に明るく感じたがこれが本来の余部の空と風景。
今度この町の闇夜に照明が照らされる時は余部鉄橋の工事だろうか。





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