三国花火大会
福井県三国町
2007年8月11日
毎年8月11日、三国サンセットビーチを舞台に2尺玉をはじめ、仕掛け花火、水中花火、スターマインなど 約10000発の花火が打ち上げられる。 昭和初期から三国海水浴場では花火大会が行われており、 当時は私鉄会社による主催で多くの催し物が開催され、今とは違う賑やかさであった。 〜goodtimeの追想〜 今年は珍しく11日から夏季休暇となり行くなら今年しかない!と三国行きを決めていた。 三国の花火は凄い!という噂を聞き、 おまけに伊那火工堀内煙火店とならば宮島以外ではどんな演出をするのかも興味があった。 5時の東尾道駅始発に乗って福井を目指す。 乗り継ぎが悪い区間があり13時30分、長い時間をかけて福井駅に到着。 福井駅から急いでえちぜん鉄道に乗り換えて三国港駅に向かい、喉かな田園風景を走り14時20分に三国港駅に到着。 尾道を出発してから9時間30分の道のりだった。 駅を出ると心地良い日本海の風が迎えてくれるのかと思いきや熱風と厳しい日差しに猛暑の洗礼を受ける。 駅から歩いて10分ほどで花火会場となる海水浴場に到着して、砂浜に埋め尽くされている人の多さに唖然した。 噂には聞いていたが、しかしここは福井県から離れた遠い海水浴場なので、 人は多いと言えどそんなに大したことは無いだろうと思ったが、大したことだった。 今年は土曜日ということもあってか特に人が多いのかもしれないが、 これだけ埋め尽くされた砂浜は未だかつて見たことが無い。 海水浴場後方にある堤防を探索するが既に空いたスペースはシートで埋まっており入る隙間が無く、 端の方に辛うじて空いている場所を見つけて三脚を置いた。 とりあえず場所は確保出来たので夕方になるピーク時に最終調整するとして、暑い中現地調査開始。 正面向かって左側の防波堤に2尺玉5本、斜め打ちスターマインなど花火筒が用意されていた。 水中花火はどこで開花するのだろう?と思っていた時に、たまたま花火師が歩いていたので開花位置を教えてもらう。 ここの海水浴場はさほど広さは感じられず、センターに海の家があるため撮影ポイントは両サイドとなるが、 右側はあまりにも近過ぎるので撮影するなら左側に集中される。 南方向に火力発電所がありそこも観覧スポットとなっているみたいだが、 自動車以外でのアクセスは厳しい場所なので、さほど混雑はしていないように見える。 ただ斜め打ちスターマインを側面から見ることになるので撮影するには微妙な場所。 海水浴場を出て北側に優待席があり、さらに北へ行くと海岸沿いに花火が見れるが電線で撮影向けではない。 高い建物が無いので見ようと思えばどこからでも見れるかもしれないが、 意外と住宅が並んでおり「私有地につき立入り禁止」の看板をよく目にした。 そういう訳で海水浴場内北側に三脚が集中しているのも無理は無さそうだ。 暑さと空腹で気力体力ともに力尽きてしまい現地調査終了。 涼と昼食を求めて飲食店を探すものの、温泉施設「ゆあぽーと」は本日閉館。 他の店も貸し切りだったり準備中だったり開いている店が無く、港駅まで戻りようやく見つけた。 三国は甘エビとカニが有名らしいので甘エビ丼で空腹を満たした。 18時を過ぎてようやく日差しも和らぎ風も吹いて心地良くなってきたが混雑度もピークに達してきた。 海水浴場も砂浜が見えなくなるくらい隙間無く人で埋め尽くされ、 20時00分、花火大会は始まった。 ここの花火大会は、ただ単に打上げるものではなくアナウンスによる進行。 その力の入ったアナウンスが面白くて観客を飽きさせない演出の1つかもしれない。 オープニングはそんな力入った2尺玉で幕を開けた。 大きい!目の前に広がる美しい冠菊が大きく開花。 もし仮に波打ち際で撮っていたら完全にフレームアウトになっていた。 プログラムは7つに分けられ、その1つのパートからさらにいくつかに分けられている。 オープニングは、2尺玉を皮切りにワイドスターマイン、水中スターマインと三国らしい展開で早くも会場大歓声。 プログラムを見ているだけでも「凄いことになる」と想像出来た。 「三国な夜にようこそ」では三国名物でもある斜めスターマインが登場。 一体どこまで飛んでいくのか!?と思うくらい遥か遠く右方向へ飛んでいき、 大玉早打ち150連発、「継体大王即位1500年記念」と題して日本古来の花火である和火を打上げなど、 9つに分かれた贅沢な10分間だった。 「アートオブファイヤー」こちらもタイトル通りまさにアートな世界が繰り広げられる。 芸術玉10号玉「堀内煙火店花火作品コレクション」では多重芯や競技大会で賞を取った作品など10発打上げられる。 打上げ前にアナウンスされるので花火を知らない人でも楽しめる。 坂井市合併1周年記念・オリジナル芸術花火では、堀内煙火店のセンスと個性の見せ所で、 坂井市の「木・花・鳥」のテーマに沿って千輪三段打ち。 宮島ではお馴染みの演出だが、星が紅だったことに驚きで、 もちろん打上げ後に会場から大歓声になったのは言うまでも無い。 「GO!GO!三国&EXPLOSION!!」はとてもシンプルな内容だが、 ただのシンプルな内容ではなく2尺玉3連発、そして2尺玉の水中花火が開花される。 小割り浮模様の入った冠菊が本当に美しい。 水中花火は開花されるまえに恒例のカウントダウンが始まるが、 「10・9・バーン」とフライングするのはどこの花火大会でも恒例なのだろうか(笑) 「ファイヤーイリュージョン」はまさにイリュージョンの世界。 300mにも及ぶナイアガラに音楽スターマイン。 TOKIOの「空舟」に合わせたテンポ良く時に激しい展開だった。 「これぞ三国の大花火」 いよいよラストは水中スターマイン、2尺玉、斜めスターマイン、錦冠ワイドスターマインと 今までのプログラムをすべて凝縮した内容で、今まで数多くの花火大会を見てきたが、 これほどエンターテイメント、個性、芸術すべて揃った花火大会は今まで見たことがない。 7000発1時間の内容だったが実力ある花火師、主催者が揃えば、 玉数や時間なんて関係無いということが改めて証明された花火大会ではなかろうか。 噂によると三国の花火が大きく変わったのは伊那火工堀内煙火店になってかららしい。 宮島水中花火以外の現場を見てみたいと思っていたが、やはり本当に素晴らしい花火業者だった。 感動に酔いしれながら機材を撤収して三国港駅に向かうが、 ただでさえ小さな町に20万人が動くのだから想像を絶する混雑は覚悟の上。 たまたま裏道で港駅に続く道を発見したので、 帰りはその道を歩けば早く帰れるかも!?と淡い期待を抱いていたのだが、 何と駅の入口は1箇所のみで入ることが出来ず、既に長蛇の列が並んでいた。 えちぜん鉄道によるピストン輸送で案外早くさばけるのでは?と思ったが、 22時台になると「40分待ちです」というアナウンスに待ち客からのブーイング。 それなら苦しい思いをするよりのんびり海を眺めながら帰るのも良いかもしれない。 23時を廻ると人も少なくなり電車に座れるくらい余裕が出てきた。 福井駅まで戻ったんは日付が変わった頃で、始発まで4時間ほおど。 当初の予定では市内の健康ランドを利用するつもりだったが、 福井駅内にある待合室はエアコンが効いており、しかも終電以降も開放していたので、 そのまま始発まで待たせてもらうことにした。 蒸し暑い夜を気持ちよく過ごさせてくれた福井駅に感謝。 |