写真館 二千年一夜














あきつ住吉祭
広島県安芸津町
2007年7月29日

「万葉集」にも詠まれた安芸津町では、毎年7月29日の夜に御神体を乗せた管弦祭が湾を廻る中、約1300発の花火が打ち上げられ、
近くの保野山に「万」の字が点灯される。


〜goodtimeの追想〜

三段峡から安芸津へ向かう途中、井二の棚田に寄ってみたが暑くて撮影どころではなく断念。
安佐南区でたまたま見つけたスパで汗を流し、そのままエアコンの効いた休憩室で4時間ほど過ごした。
安芸津に着いたのは16時頃。
雨の予報だけに恐ろしいほど蒸し暑いが、雨は降りそうな空ではなかった。
2年前に訪れた時に、今度来たらここで撮ろうと始めから決めていたので現地調査することなくブラブラと時間を過ごす。
ところが怪しい雲が近づいてきて雷雨となり急いで車の中に待機。
この降り方だとすぐ止むだろうと思っていたが案の定、1時間ほどで止んだ。

雨のせいか客足も遅く、本当に花火が上がるのか心配になってくるが17時20分、五段雷が安芸津の港に響き渡った。
街に貼られてあった祭りのポスターを見ると、花火のプログラムが載っており、
スパークルフラッシュ、椰子の樹木、満開千輪菊など牛尾煙火による演出だと一目でわかる。
19時を過ぎるくらいから徐々に人も増え始めたので三脚を置いて場所を確保。
20時00分、花火が打ち上がる。
メイン会場から少し離れているため管弦船が見れず祭りの雰囲気は楽しめないが
花火は十分楽しめる場所である。
思いのほか花火が高く上がったのと、フェリーが横付けになり外灯でライトアップした感じになっているのが面白かったので、
急遽、場所を移動して前景にフェリーが入るように構図を練り直す。
このようなことが出来るのも、さほど混雑していない会場であり、
1分に1発花火が上がるのんびりした演出だからこそ出来る。
1発1発何が開花するかわからず、それを想像してシャッターを切るのも面白いが、
フィルムではそう何度もシャッターは切れない。
発射音を聞いて、微妙に大きいと開花する花火も大きいので注意深く耳を立てて勘でシャッターを切るが、
金波菊や雌雄芯が開花した時に限ってシャッターを切っておらずなかなか勘が冴えない。
のんびり上がる花火もあれば突然連発になるスターマインに廻りの反応は良く、
久々に見る牛尾煙火の花火だっただけに私も楽しませてもらった。

21時20分、ナイアガラで花火は終了。
風は吹いていたものの、上空は煙が停滞して思うような撮影は出来なかったが、
南の空は雷で明るく光っていたのを見ると、
先ほどの雷雨が花火の打ち上げ時じゃなかっただけでも良かった。
夕立後の安芸津の空は星や満月も出ており、いつも通りの静かな港に戻っていった。





写真館 二千年一夜