写真館 二千年一夜

























須佐湾大花火大会
山口県須佐町
2007年7月28日

須佐湾花火大会は、須佐の海の男達の祭りである「須佐弁天祭」の2日目(後夜祭)にあたり、
弁天神事のフィナーレ(管絃船の帰港)を盛り上げるために行われてきました。
近年ではステージイベントのほかよさこい踊りなど、歌や踊りでも賑わいをみせています。
ー須佐おもてなし協会HP参照ー


〜goodtimeの追想〜

17時20分、須佐町内に入って駐車場の看板に沿って進むと旧庁舎らしきところに着き、
時間がまだ早いせいか駐車率に余裕があった。
ちなみに旧庁舎が満車の場合、須佐中学校まで行かなければならないが、これがまた坂道が続く遠い場所にある。
旧庁舎は会場から近いが、帰りの渋滞を考えると敢えて遠い所に止めた方が良いか・・・
小さい街並みを歩き通り抜けると港に出る。
会場である海岸は場所取りがされている様子は無く、現時点ではどこからでも撮影は可能だが、
とりあえず風向きと打上場所の確認で様子見といったところ。
港内は通行止めとなり橋から観覧可能なので須佐湾を見渡すには面白い場所であるが、
いろいろ候補地に目星を付けるものの正面、まさに特等席から狙うことにした。

防波堤に幅広くセットしている様子からしてワイドプログラムがある可能性もあるので、
カメラをもう1台セットするため車に戻って機材を取りに行く。
こんな時、やはり会場近くに車を止めておくと便利だ。
ところで会場にあるピラミッドになっているこの木は一体なんだろう・・・?
漁師が帰って焚き火でもするのかな?
そんな謎の物体が後に恐ろしいこととなる。

19時を過ぎて打上時刻が近づくにつれて空も徐々に暗くなる。
怪しい木材の前だと立って撮影しても後ろの人に邪魔にならないだろうと機材をセットして構図調整。
そこに関係者らしき人が、「もうすぐ燃やすからここにいると熱いよ」と声をかけてきた。
燃やす!?
既に会場内はかなり人が埋まっており移動するにも遠く移動することは出来ないが、
この木材の近くに人がいなかったのはその理由があった。
そして19時30分、点火。
これが想像していた以上に相当激しく燃えだし、風が吹けば火の粉が会場内の観覧客に襲いかかる。
たまたま風下だったためこちらに火の粉は降ってこないが、
数メートル離れていた観覧客はあまりの熱さと飛んでくる火の粉に撤収するものもいれば、文句を言う人もいた。
しかしこのかがり火は、神様を迎えるものらしくどんなに危なくても消すことはしない。
いや、してはいけないのだ。
そういえば以前、何かのドラマで見たことがある。
海で遭難した漁師が戻ってこれるようにと、家族は海岸でかがり火と焚く風習があるのだとか。
このかがり火は、きっと漁の安全祈願が込められているに違いない。

炎が弱まり20時00分、花火打上開始。
チラシが無かったので内容の把握が出来なかったがプログラムが26まであり、
単発30連発、スターマイン、尺玉奉納、イカ、クラゲ、スマイルの型物花火などがあった。
28日固定日というだけあって花火大会というより奉納花火に近いのかもしれない。
花火業者は生島煙火ということで、期待を裏切らない内容だった。
しかもまじかで見ているのと3方が山で囲まれた地形で開花音が実に綺麗。
尺玉は惜しみなく上げられ千輪の時は会場が沸く。
イカやクラゲが出るのは漁師街、須佐ならではで会場に笑いがあった。
八代の競技大会でも披露したスターマイン「粉雪」を思い出す銀菊の連発。
生島煙火の素晴らしい要素と会場を飽きさせない要素がたっぷり詰まった花火大会だったと思う。
時折、風が停滞してしまったのが残念だったが、
風上になると後ろのかがり火の火の粉が襲って背中が熱く、嬉しい悲鳴となった(笑)
管弦船の待ち時間もあったことで21時20分に終了。

かがり火もすっかり収まり、神様も無事に帰られたということで急いで駐車場へ戻る。
特に渋滞にはまること無くすんなり国道に出てしばらく走っていると何やらたくさんの灯かりが日本海に見える。
日本海の向こうに見える島の灯かり!?と思うくらい空が明るいのはイカ釣り漁船の漁火だった。
本来、日曜日は市場が休みなので土曜日の夜は漁船が出ないと聞いていたが、
もし平日であれば、どれほどの漁火が日本海を埋め尽くすのだろうか。
そんな光景を横目に益田経由で掛頭山山頂を目指す。





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