写真館 二千年一夜

























滑川渓谷
愛媛県川内町
2007年7月16日

約1kmにも広がる一枚岩「ナメラ」の川床を滑るように流れる水によって、
長い年月をかけ少しずつ侵食された跡が幻想的な景色を創り出している。
その先へ進むと奥の滝があり、数千年もの年月を経て創り出された地形を楽しむことができる。


〜goodtimeの追想〜

4時40分、この時期にしては珍しく車内で熟睡して気持ち良く起床。
空は薄っすら明るくなっており、東の空は朝焼けで赤く染まっていた。
国道11号線を走っていると桜三里といういかにも桜の名所らしい街道で、
その手前の県道302号線を入って、しばし狭い道を奥へと入っていく。
台風後なので恐る恐る先に進むと集落があり、よく台風で土砂崩れになり集落が孤立するという話をよく聞くが、
この県道が遮断されると集落の人達どころか自分自身も孤立状態となる。
5時40分、最初の目的地である滑川渓谷の駐車場に到着。
入口には綺麗なガクアジサイが咲いて眠気覚ましに爽快な気分にさせてくれる。
もう7月中旬なのにまだアジサイが咲いているということはそれだけ寒い地域なのだろうか。

駐車場にある案内板を見て渓谷の奥にある滝まで目指す。
ここの渓谷は名前通り通常の渓谷とは違い、ウォータースライダーが出来そうな滑らかな渓谷であり、
観光地として手を加えれば滝滑りが出来そうな渓谷だが、敢えて自然そのままの渓谷となっている。
大雨後の増水で激しく流れているが、通常は穏やかな渓谷に違いない。
そんな滑らかな渓谷だったが、奥の滝はこの世のものとは思えないような独特の雰囲気が漂っていた。
先ほどの滑らかな渓谷から一転して、龍の腹と呼ばれる絶壁が両サイドに続き、渓谷にはたくさんの石が積まれていた。
そんな光景の奥に激しく流れて落ちているのが奥の滝。
いつもは近くまで寄って撮影しているが、この独特な雰囲気を収めるべく離れた所から撮影開始。
太陽が当たらず薄暗い中、この不気味さが写真として表現出来きるようにシャッターを切った。





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