写真館 二千年一夜




2007年3月20日撮影












2007年3月23日撮影

田尻の朝景
広島県福山市

1年の中で春分の日と秋分の日の前後数日間、島と島の間から太陽が昇り、
蜃気楼現象で太陽が歪んで(通称ダルマ朝日)見ることが出来る。


〜goodtimeの追想〜

春と秋のお彼岸前後5日間に田尻町で見ることが出来るダルマ朝日。
今回は気合を入れて18日から23日まで6日連続撮影に挑戦。
天気が悪く無い限り、1日は見ることが出来ると期待する。

〜3月18日〜
5時00分に家を出て5時30分に到着。
前日の夕方、とても綺麗な夕暮れ空だったので明日は絶対ダルマが撮れる!と初日から絶好のチャンス。
ところが上空は星が輝いているが備後灘水平線上は厚い雲があり、
このままだとダルマにならない。
日の出予定は6時15分頃だがその時刻も過ぎて5分遅れで太陽が顔を覗かした。
綺麗な朝日でついシャッターを切るものの・・・狙う獲物が違う。
6時30分、機材を片付けて撤収。
期待していただけにショックも大きい。


〜3月19日〜
昨日は風も強くて寒い1日だったが、夕暮れ時は雲1つ無い空が広がっていたので、
今日こそは!と気合を入れて出勤前の撮影に幕が上がる。
昨日同様、5時に家を出て5時30分に現地到着。
昨日よりも先客が多く、カメラマン同士の情報交換などで賑わっていた。
上空のコンディションは良いが水平線は昨日よりも雲が厚く、
太陽は昨日より遅い顔出しだった。
6時30分、機材を片付けて職場へ向かう。


〜3月20日〜
空を見上げると雲と雲の隙間から星が見えていたので今日も5時に家を出る。
昨日は早くからたくさんの車が止まっていたので今日は車が止められるか心配していたが、
何故か車は4台ほどしか止まっていない。
肉眼ではわからないがファンダーで見ると瀬戸大橋の鉄塔が見えるので、
今日こそは!と期待したが、太陽が昇る時間が近づくと水平線上にまたしても厚い雲が出てきた。
寒さで冷え込むと水蒸気か霧かわからないが、雲が発生するのだろうか。
今日も太陽は5分遅れで顔を覗かしダルマにはならなかった。


〜3月21日〜
今日は春分の日ということで祝日と聞いただけでワクワクする。
何より撮影後に職場へ行かなくて良い。
昨日が暖かかったので今日も暖かいと思ったが、昨日は日中晴れていたので放射冷却の影響で冷え込んでいた。
今日は祝日ということで、予想通り大勢のカメラマンが訪れていた。
空の状況は霞みが広がり思わしくない。
たとえ霞みが広がっていても厚い雲が無ければ発生することもあり、
出ないだろうと思ったら突然出た!という話しをカメラマンの間で良く耳にする。
とりあえず機材をセットして出没時刻を待つが、今日は瀬戸大橋が見えない。
県道沿いには20台以上の車が止まっており、
知らない人が見れば、一体何が行われているのか!?と不思議に思われるかもしれない。
カメラマンの期待も空しく、数分後に太陽が顔を見せた。
今日は祝日ということで仕事も休みなので、
帰りにグリーンライン、阿伏兎観音と寄ってみた。


〜3月22日〜
天気が悪ければ撮影も断念出来るが日曜日からずっと星が出ているのは本当に珍しいかもしれない。
行かない日に限って現われると後悔するので今朝も頑張って田尻へ向かう。
寒い朝だと思ったが気温は4℃と暖かい朝。
今朝は田尻へ着く前から嫌な予感がしていた。
田尻へ向かう途中、眠らない工場、日本鋼管の上空が妙に明るかった。
明るいということは上空に雲か霞みが広がっているということを示している。
昨日ほどでも無いが、それなりに先客のカメラマンが待機。
今日は昨日以上に春霞が広がっており、まったく撮影意欲が沸かず車内で仮眠。
機材をセットしてみたものの、高島すら見えない最悪の状況だった。
上空は綺麗な青空が広がっているのに、何故に太陽が昇る方向は霞がかかっているのだろうか。
相変わらず太陽は遅れて顔を覗かせるが、
こんな霞の中でも太陽が見れたのは意外だった。


〜3月23日〜
昨日の午後は晴れたり曇ったり雨が降ったりと変な天気だった。
桜も開花宣言も出ていよいよ本格的な春へ向かっていく。
既に21日から霞みらしきものが出て太陽を隠してしまい、
今日は正直行く気がまったく起こらなかったが、
それでも一晩寝れば澄みきった空になるかもしれない。
そう信じて今日も現地へ向かう。
しかしその願いも空しく、早朝の東の空は霞んでいた。
どんなにコンディションが悪くてもカメラマンの執念はみな同じで、
連日のようにカメラマンが訪れている。
今日が自分にとって最終日なので有終の美を飾りたいところだが、
気温が暖かく霞も濃く、この日がもっとも条件的に悪い。
太陽は最後まで定刻通りに顔を覗かせることなく今日も遅刻。
こうしてダルマ朝日に出会うこと無く挑戦は終わった。





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