写真館 二千年一夜




長島の朝景
岡山県邑久町
2007年2月12日

長島は虫明湾の南東にあり、屋島の戦いの後に源義経の船が長島に吹き寄せられ、
武蔵坊弁慶が船を引き越した地であるという伝説がある。
日本初の国立ハンセン病療養所である国立療養所長島愛生園が設置されている。


〜goodtimeの追想〜

2月17日〜24日にかけて長島から美しい日の出が撮れる。
これは地元カメラマンの間では有名な話で想像を超えるくらい多くのカメラマンが集まるらしい。
タイミングとしては1週間早いのだが、来週は雨の予報なので現地調査を兼ねて行ってみることにした。

3時15分、家を出発。
気温5度とこの時期にしては暖かい。
いつものように国道2号線を2時間かけて邑久町を目指す。
暖かいと思っていたが、夜が明ける頃には0度を切っており、
久々に眺める澄みきった空に、今日は綺麗な朝日が拝めることを確信した。

やはりダルマ朝日が出ないとわかっているのか先客は誰もおらず、
灯かり1つない現場は場所が場所だけに少し恐怖を感じる。
海岸沿いに来たものの、初めての現場でどこで撮れば良いのかわからないので、
少し明るくなるまで車内で待機。
6時を過ぎたあたりでカメラマンがやって来て三脚を立て始めたのでスタンバイ。
最終的に15人ほど集まっただろうか。
ダルマにならないとわかっていても多くのカメラマンが集まる理由は、手影島の鳥居の魅力が大きい。
しかも島と島との間から1年で僅かの期間しか見ることが出来ないのだから、
ダルマ朝日に出会うことは奇跡に近い。

今日は少し水平線が霞んでいるように見えるが厚い雲では無さそうだ。
7時を過ぎたあたりで太陽が顔を覗き始め、一斉にシャッター音が鳴り響く。
残念ながら、というより予想どおり水平から太陽は出ずダルマにはならなかったが、
それでも美しい日の出と鳥居は絵になり、久々に夢中でシャッターを切った。
日頃当たり前のように太陽と付き合って生活しているが、
朝1番の太陽ほど神秘的でパワーを感じる瞬間は無い。
仕事を引退して毎日のように通っているカメラマンも多いらしいが、
その気持ちはわからないでもない。
むしろその生活に羨ましく思う。
撮影後、長島を後にする道中、気温はマイナス2度。
あまり寒いとは思わなかったが、霜が降り注いだ畑を見ると相当冷え込んでいたようだ。





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