写真館 二千年一夜




田尻のダルマ朝日
広島県福山市
2006年9月23日

1年の中で春分の日と秋分の日の前後数日間、島と島の間から太陽が昇り、
蜃気楼現象で太陽が歪んで(通称ダルマ朝日)見ることが出来る。


〜goodtimeの追想〜

ダルマ朝日を撮りたいと随分前から思っていたが、
春分の日と秋分の日しかチャンスが無いので、なかなか撮影する機会が無かった。
地元のカメラマンの間では有名な被写体だが、
年に1度、姿を現すかどうかわからない非常に貴重な被写体なので、
もし撮ることが出来れば非常に貴重な体験となる。

9月21日、4時30分に到着。
少し早すぎる到着だったが既に5台車が止まっており、
平日の早朝なのに時間が経てば経つほどカメラマンが増えてきたのには驚いた。
上空の空は星が輝くほど文句無しに美しく澄み渡る空。
東の空が徐々に赤く染まり空のグラデーションが美しくて、かなり期待していたが、
水平線上にガスがかかっているのが肉眼でもわかった。
今日は残念ながらダルマ朝日を撮ることが出来なかったが、
記念すべき初挑戦で雰囲気だけでも掴めたことで次回へ活かしたい。

9月23日、2日前、初めてダルマ朝日撮影に挑戦したものの見事に不発。
場所の雰囲気を把握出来たこともあって今日はどこか気分的に余裕があり、
今日は5時15分に現地に到着した。
2日前より条件は良さそうだが、今日も水平線上に雲がかかっていた。
今日は仕事も休みなので、ダルマにならなくてもせめて朝日だけでも撮ろうと思っていたので、
秘密兵器でもある300mmにテレコン×3を装着して900mmレンズをセット。

今日は土曜日ということもあり、2日目以上にカメラマンは多くて、
いつしか県道は縦列駐車で歩道が埋まった。
知らずに県道を走っている車は、一体何事か!?と不思議に思っているに違ない。
6時00分、方角にして90度前後くらいだろうか。
太陽が顔を覗かし始めた。
しかしそれは海からではなく雲の上からでダルマになることはなかった。
結果的に主役は現われなかったが、朝焼けに染まる空の下、貨物船や浮島の孤島など、
それなりに脇役のお蔭で面白い絵になったかもしれない。

今回撮影していて思ったのは、
島と島の間から太陽が昇るため、少し角度がずれると島を噛むので微妙な場所取りが必要とされる。
朝日は肉眼でもわかるくらい早いスピードで上がっていくので、
太陽が顔を覗かせてからの場所取りは命取りになるため、
こればかりは経験と過去のデーターが必要とされる。
この2日間、結果的にダルマ朝日を撮ることは出来なかったが、
いつかダルマ朝日を撮るための良い経験になった。





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