正三尺玉
正三尺玉
正三尺玉
正四尺玉
片貝まつり
新潟県小千谷市
2006年9月9日
毎年9月9日、10日に開催される片貝まつりは、400年前の江戸時代初期に及ぶ歴史があり、 浅原神社へのお賽銭代わりに花火を奉納したことから、花火の打ち上げが始まったといわれています。 1891年には片貝で初めて三尺玉が4発打ち上げられたことから三尺玉発祥の地となり、 1985年には直径800mもの大輪の花を咲かせる四尺玉の打ち上げにも成功しギネスブックに掲載されるなど、 世界一の打ち上げ花火として知られています。 片貝まつりは浅原神社の秋の例大祭で、子供の誕生や成人、厄払いなどにちなんで 町の人々が浅原神社に花火を奉納する習慣があります。 朝から浅原神社へ花火の玉を奉納する「玉送り」や、花火打ち上げの成功と無事を祈る「筒引き」などの 古式ゆかしい伝統行事の数々が行われます。 〜goodtimeの追想〜 今までは仕事終わりに電車に乗り込めばムーンライトながらに乗れたのに、 今年はダイヤ改正で16時台の電車に乗らなければ間に合わなくなり、 午後から仕事を休む羽目になってしまった。 16時に家を出て大垣に着いたのは22時。 1時間の空き時間で遅い夕食を取り、23時15分のながら号に乗り東京を目指す。 9月金曜日の便なので空いているかと思ったが、かなり混んでおり辛うじて指定席を取ることが出来た。 4時42分、東京到着。 早朝なのにも関わらず、通勤時間のラッシュ時と思わせるくらい人の多さに相変わらず驚かされる東京駅。 上野ー高崎ー水上と順調に長岡を目指して矢先、高崎を目前に電車が止まり15分の足止め。 後の電車の乗り継ぎに影響は無かったものの、乗り継ぎの時間を見てキヨスクで朝ご飯を買う時間が無く、 水上でたまたま目にした洋菓子を手に取ったのが朝食となった。 ローカルな上越線なので乗客は少ないと思っていたが、今日は土曜日のせいか結構な乗車率。 水上を出て、トンネルを抜けるとそこは雪国だった、でお馴染みの長い長いトンネルに差し掛かる。 トンネルを潜る前は今にも雨が降りそうなドンヨリ雲が広がっていたが、 果たしてトンネルを抜けると、晴れているか、それとも大雨で雷が鳴っているか、はたまた雪国か?(笑) トンネルを抜けるとそこは眩しいばかりの日差しが車窓から差し込み、辺り一面広がる田園地帯と青空が広がっていた。 長いトンネルは、どこか他所の国に繋がっているのではないか?と思わせるくらいまったく天候が違い驚かされた。 トンネルを抜けて最初に止まった駅でドアが開いた瞬間、入り込んで来た生温い風に今日1日暑くなると覚悟させられる。 出発してから18時間、こうして長岡までの長い電車移動を今年も無事果たすことが出来て、とりあえず第一関門突破といったところ。 お金をかければもっと短時間で長岡入り出来るかもしれないが、 青春18切符2枚分でたくさんの景色と電車の長旅が味わえるのだから、 決して過酷な旅だと思うことはなかった。 10時14分、こうして1年振りに長岡駅に降り立った。 1年振りに降り立った長岡駅は、いきなり蒸し暑い残暑の洗礼を受ける。 2日間お世話になるホテルでチェックインを済ませて、近くの店でへぎそばを頂く。 30分おきに出発する片貝行きのバス。 本当は、もっとゆっくりしても良かったが今日は土曜日なので早めに現地に着いて現地調査をしておきたいので、 13時30分のバスに乗り込み片貝を目指す。 バスから眺める黄金色の田園地帯が何とも新潟らしい風景で秋空がどこまでも続いているかのように広がっている。 長岡から片貝まで近いようで結構離れており、バスで30分くらいかけて移動。 去年とまったく変わらない工程で片貝入りを果たした。 バスを降りた瞬間、容赦なく厳しい日差しが襲ってきた。 9月の残暑とはいえある程度覚悟していたが、これほど暑いとは思ってもみなかった。 ただ真夏の暑さと違って影に入ると暑さは和らぎ、休憩しながら会場を目指す。 さすが今日は土曜日というだけあって、道路には何キロ並んでいるのか?と思うような縦列駐車。 そういえば去年の2日目は土曜日だったので、長岡に戻ったのは日付が替わった時間帯だったことを思い出した。 去年の2日目は大雨で撮影が出来ず、軒下で見たことや、 会場までの道のり、いろんなことを思い出しながら徐々に懐かしさが込み上げてきた。 会場に到着して、とりあえず去年と同じ場所に三脚を仮置き。 片貝名物の花火番付を購入し、町内を観光しようかと思ったが、 暑さと長旅で歩く元気も無く、観光は明日へした。 17時になると随分涼しくなり、 道路や私有地に花火客の姿が増えてきた。 三脚を仮置きしたものの、去年と同じでは芸が無いといろいろ散策したが、 殆どが私有地や畑なのでかなり場所が制限されてしまう。 バイパスまで下がることも考えたが、名調子を聞きながら花火を見ることに片貝らしさを感じられるので、 どうしても会場内は捨てられなかった。 19時30分、花火の打上が始まった。 暑い1日だったが綺麗な花火が見れると思えば大したことはない。 初日は2尺玉1発、3尺玉3発、4尺玉1発、その他ベスビアス大スターマインと今年も凄い花火が奉納されている。 ただえさえ珍しい尺玉が惜しむことなく打ち上げられ、すべてシャッターを切りたい気持ちを押えながら観覧に集中した。 今年は、青牡丹が少なかった面、和火や千輪が多かったような気がする。 画面に入りきらない和火や銀冠菊は、桟敷席附近ならではの迫力に今年も圧倒された。 今年は一体何発の尺玉が上がっているんだ?と思うくらい尺玉が上がり続ける。 それもそのはず! 今年は過去に例が無いくらい尺玉が上がっているのだ。 初日だけでも200発以上は上がったのではないだろうか? そんな気密スケジュールでもちゃんと時間通りに番外が打ち上がるのだから凄いを通り越して不思議に思う。 番外のメッセージが読まれると、時より会場の一角が盛り上がる。 その理由を知っているだけに片貝の花火は特別なのだ。 今年も妹のために奉納した兄のメッセージが流れた時は、思わず涙腺が緩んでしまった。 人との絆、友情、愛情、故人を惜しみ花火を打ち上げる。 まさにここは現代人が忘れかけている古き良き日本だと感じた。 花火観覧には支障の無い絶好の条件ではあったが、 風が少し強く吹いていたので星が右に流されてしまった。 三尺玉や四尺玉にとって風は天敵で、冠が大きく流されるとフレームアウトする恐れがあるのだが・・・ 22時00分、四尺玉が打ち上がる。 ズシっと体に響く体感と共に開花した。 風のある今夜は二度咲千輪であってほしかったが、去年と同じく冠菊が打ち上げられた。 4尺玉が上がった後もしばらく花火番付は続くが、大概の花火客は帰り支度を始める。 最後のスターマインが終わると号砲が鳴り響き、初日の片貝の幕を閉じた。 帰りのルートは去年同様、長岡行きの臨時バス。 恐ろしいほどの大渋滞の中、ある程度覚悟はしていたが1時間30分かけて24時10分、長岡に到着。 長旅と暑さと帰りの渋滞など重度の疲労と意識朦朧の中、ホテルに着くとベッドに倒れ込んだ。 |