写真館 二千年一夜




四万十大正あゆまつり
高知県大正町
2006年8月27日

鮎をメインにした住民主体による参加体験型のお祭り。
夏の四万十川で毎年盛大に開催され、  
あゆのつかみ取りやカヌー体験など家族で参加できるイベントの他に和太鼓演奏、正調よさこい踊り、
そして祭りの最後には、伝統漁法「火振り漁の実演」や花火大会が披露される。


〜goodtimeの追想〜

沈下橋巡りを終えてこれから帰れば日付が変わる前に家に着く。
そんなことを思いながら、道の駅に貼られていたあゆまつりのポスターを眺めていた。
今日を逃すと次はいつになるかわからない。
でも無理に残ってまで見るだけの内容なのだろうか・・・
いろんなことが頭に過ったが、せっかく来ているので見て帰ることにした。
そうと決まれば、帰りと翌日の仕事に備えて夕方になるまで木陰で仮眠をとる。
木陰に入り、四万十川上空を流れる白い雲を眺めながら時間を過ごしていると、
何だか普段の生活がとてもちっぽけに感じてしまい、
このまま時間が止まればいいのにと、ちょっとした逃避妄想に陥ってしまった(笑)
太陽も山に隠れて日中の暑さが嘘かのように涼しくなる中、会場へ向かう。
あゆ祭りということだけあって、ブースからあゆの塩焼きの香ばしい匂いが漂ってきた。
小さな町の小さなお祭りだと思っていたが、意外と三脚が並んでおり、
そんなに凄い花火が上がるのかと期待したが、
実は花火前の火振り漁が本命だと後で知る。

19時20分、すっかり辺りも暗くなりいよいよ手振り漁が始まった。
火振り漁は以下の手順で行われる。

1、暗闇の中、川下から仕掛け網を川上に向かって静かに張る。
2、網が張り終わると川舟は川上に静かに移動します。。
3、川舟にのせてある松明で川を照らし、竹ざおで水面を叩き、驚いた鮎は、川底を川下に向かって 逃げようとして網にかかる。
4、川下まで追い込んだ後、川上に上って移動し、川上より順番に網を川舟に取り込む。
5、 川の岸にあらかじめ用意した竹組に網をかけ、かかった天然鮎を傷つけないように網から外す、

最近の火振り漁は、松明ではなくライトを使うところもあるらしいが、
四万十川の昔ながらの伝統漁法が見れて楽しませてもらった。
火振り漁も終わり20時から花火が打ち上がる。
去年は花火大会らしく打上などもあったらしいが、
今年は志向を変えて仕掛けと小型煙火のみ。
火車や立火など仕掛けが何基あったが覚えてないが、ただでさえ煙が多く出る仕掛けなのに会場が風下で最悪なコンディション。
唯一ナイアガラがまともに見れたくらいだろうか。
終わってみれば、やっぱり早く帰れば良かったかも、と思いながら、
火振り漁が見れただけでも旅を締めくくる良い思い出になったのではないだろうか。

帰りは宇和島経由を避けて信号や車の少ない峠を越える。
道中、雷が鳴り響いたが運良く雨に遭遇することは無かった。
学生にとっては夏休み最後の日曜日。
振り返れば学生時代は特に思い出に残る夏休みを過ごせていなかったような気がするが、
今こうして学生に戻ったかのごとく旅をしている。
四万十川や高知の海、今回も本当に良い旅だった。
その旅もしまなみ海道を渡ったらゴールだ。




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