写真館 二千年一夜













































特急出雲号
鳥取県米子市
2006年2月25日





寝台特急出雲号は、東京と出雲市の間を結ぶ夜行寝台列車。
伯備線経由の寝台特急「サンライズ出雲」が新設されたのに伴い、2006年3月に廃止された。


〜goodtimeの追想〜

特急出雲号が3月17日を持って廃止になる情報を入手して以来、
餘部鉄橋へ行く計画を立てていたが、
大山と出雲号という構図をネットで見て、出発3日前に急遽、大山方面に向かうことにした。

8時頃、6連アーチの旧日野大橋の隣にJR山陰線が走り出雲号が走る姿をここで狙う。
撮影ポイントは他にも良い場所があるが、あくまで狙いは大山と出雲号。
万が一、雲で大山が隠れればと頭に入れていたが、大山は綺麗に見えるものの少し霞んで白い。
先客カメラマン数人が既に機材をセットして撮影態勢に入っていた。
まだ2月なのでそんなに多くないが、これが3月にでもなればかなり混雑するに違いない。
とりあえず三脚だけ置いて構図や絞りなどを練る。
太陽が入ればハレーションが起きたりするので、
それなら逆に思いっきり入れようかと思ったが、ハレ切りする程度で何とか太陽を入れずに済みそうだった。
背景は明るいのでシャッタースピードは十分だったが、露出補正はどうすれば良いか。
背景が明るい場合、前景の被写体がシルエット状態となるので、
せっかくの出雲号が暗くなれば面白くない。
かと言って、プラス補正にすれば背景の大山が白飛びしシャッタースピードも落ちる。
結局+0.5に補正しカメラを2台セットしてズームと標準で狙いを定める。
時折通過する普通電車や特急でイメージトレーニングして9時20分頃に通過するであろう出雲号を待った。

米子駅着が9時25分なので日野川を渡るのは20分頃。
9時を過ぎると共に緊張感が場を走る。
太陽は結構上昇してくれたお陰でハレ切りをしなくても大丈夫だった。
カメラマンもいつの間にか15人ほどに増えていたが、
これが3月にでもなれば何人くらい集結するのだろうか。
SLと違って汽笛の音も無く、近くに踏み切りも無いのでうかつにカメラの側から離れることは出来ない。
寝台特急は、よく雨風や停電の影響、ましてや山陰線には餘部鉄橋があるので、
強い風でも吹いていれば渡ることは出来ない。
昨日は、天気も穏やかだったはずなので時間通りくるはず。
望遠レンズを覗いてみると、遠くからライトの光りが見える。
時間どおりに特急出雲が、遥か東京から12時間かけて遥々やってきた。
赤いディーゼル車が青い客車を引っ張る姿は、やっぱり電車と違って格好良い。
イメージ通りに通過した瞬間、一気にシャッターを切った。





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