醍醐桜
岡山県落合町
2005年11月20日
伝説によれば、元弘2年(1,332年)後醍醐天皇が隠岐配流の際、この桜を見て賞賛したといわれ、この名が付いている。 樹齢:700年(地元説では1000年) 樹高:18m 目通り7.1m 根本周囲:9.2m 枝張り:東西南北20m 〜goodtimeの追想〜 醍醐桜の月光撮影終了後、車の中で毛布に包まって朝を待つ。 6時00分、まだ暗いが朝は目に見えるくらい早く時間が進むので外に出てみると、 朝の冷え込みは、夜中よりもかなりキツイ。 それだけに幻想的な世界に出会える可能性も高いので頑張って撮影に挑む。 空が明るくなることで廻りの景色も肉眼でわかるが、 驚いたのは、想像してたよりもかなり霧が発生していること。 少しくらい霧は発生するだろうとは思っていたが、まさか雲海が見れるとは思ってもみなかった。 運が良ければ、春の桜満開時でも見れるかもしれない。 春はもちろんカメラマンや観光客で早朝から賑わいがあるが、今日は誰1人としていない。 目の前にはこんなに素晴らしい世界が広がっているのにまさに独り占め。 空が明るくなるにつれて醍醐桜の大木がシルエットとなり、醍醐桜が神の存在に見えて来た。 素晴らしい、素晴らし過ぎる。 何百年とこの地区、集落を見守ってきた神が目の前に立っている。 今までいろんな風景や景色を撮ってきたが、これほど素晴らしい被写体が今まであっただろうか? 曇っていた空も次第に晴れ渡り、太陽が昇ると雲海や廻りの山が赤く染まり、そして朝を迎えた。 以前、夏だったか落合に訪れた際に寄ってみた時は草茫々だったが、今日は綺麗さっぱり刈ってある。 長年生きてきた醍醐桜も決して1人で生きてきた訳ではなく、 人の支えがあって雨風に耐えながら生きて来れたはず。 人と自然はこうでなくてはならないことを1人でも多くの人に知ってもらいたい。 醍醐桜は、2年前の春に初めて訪れたが、その時は開花が悪く殆ど花を付けることはなかった。 そして昨年再度春に訪れた時は、満開から1週間経っても今だ散ることなく、私が訪れて撮影が終わった瞬間、 待ってくれていたかのごとく一気に花が散っていった。 それ以来、妙に愛着があり私にとっては聖地でもある。 決して思いつきで訪れた訳ではなく、前々から頭に描いていた秋の醍醐桜。 桜は春に撮るものかもしれないが、今こうしてここに立っているのは、 醍醐桜に呼ばれたからなのかもしれない。 |