写真館 二千年一夜
























































































































































































































































































辻八幡の神殿入
広島県吉舎町
2005年10月8日






神殿入りは、200年以上の歴史をもつ神迎えの行事
地元では古くから神殿入「こうぞのり」と呼ばれてきました。
天明年間(1781年〜1789年)に飢饉で多くの人が亡くなり、
困窮した三谿郡内38ヶ村の農民が八幡神社に奉納を祈願し、神頼みの一念で始まったともいわれています。
21時の花火を合図とし、各地域の各家が一斉に竹笹や木枠に灯篭をつけ、太鼓や鐘を打ち鳴らし、笛を吹いて神社へ参拝します。


〜goodtimeの追想〜

10月になれば秋祭りや学園祭のシーズンで、わずかながら花火が打ち上がったりする。
そこまで追いかけるとキリが無いのでほどほどにしておくが、気になるお祭りも少なからずある。
それが吉舎の「辻八幡の神殿入」だった。
花火も数初上がるらしいが、それはオマケであり、
メインは打ち上げ花火を合図に辻地区の各家各集落の氏子が、赤や青の色とりどりの灯篭を5〜10個つるした笹竹を持って、
太鼓や鉦を鳴らしながら、八幡神社下の参道入口にある宮平橋に集まる、というお祭りなのである。
灯篭といえば、夏を思い出すが、澄み切った空の下で見る灯篭も美しいことに違いない。
始まりが21時からと遅いので仕事終わりに出掛けることにした。

辻地区と言えば、2週間前に彼岸花を撮った地区でもあるので、空が暗くなってもある程度地理は把握していた。
道路を走っていると、各家庭に灯篭が吊るされて独特な雰囲気が漂う。
これを辻八幡神社へ持っているのだろうか。
そして辻八幡が近づくと、たくさんの灯篭が並べられて幻想的な世界となっていて思わず驚いてしまった。
早速、機材を持って撮影開始。
川に浮かんだ形ある灯篭が水面に映し出されて、夏のお祭りを思い出した。
川を渡ると、田んぼに無数の灯篭が並べられ、中には鳥居や五重塔の形をした灯篭まであった。

21時から単発玉や号砲が打ち上がり、その合図により辻地区内の組内から列となして辻八幡に集まりだした。
遠く鳴り響く鐘や太鼓の音は、まるで我が町のお祭りを思い出すような音でどこか懐かしい。
場所を変えれば花火と灯篭の美しい構図になるかもしれないが、今日はまじかで灯篭行列を見て、スローシャッターで灯篭の光跡を狙うことにした。
この手の被写体は仕上がってからのお楽しみである。
灯篭で飾られた笹竹を持ったたくさんの人が目の前を歩いて辻八幡へ続く坂道へと上っていき、
お祭りは夜遅くまで盛り上がりを見せていたが私は仕事疲れのせいもあって、22時には撤収した。
夏のふれあい祭り、秋の彼岸花、そして辻八幡の神殿入。
今年は吉舎の奥深さを肌で感じる1年になりそうだ。
あとは、登美志山で雲海を撮れば、吉舎シリーズ完結だ。






写真館 二千年一夜