東城「夏遊祭」
広島県東城町
2005年8月13日
東城の夏の風物詩として知られる東城の夏祭り。 東城小学校グラウンドで伝統の盆踊りや屋台テント、ステージでの各種イベントなどが行われ、 約1500発の花火が打ち上がる。 〜goodtimeの追想〜 あれはいつだったか・・・たしか2003年の紅葉が始まる前。 帝釈峡の雄橋がライトアップするということで撮影に出掛けた際、現地で東城町観光ガイドを手にした時に町内で行われる花火大会を知った。 情報誌やネットにも掲載されていなかったので、東城で花火が上がっていたことは当然知る由もなく、 ただガイドに載っていた花火が綺麗だったので、どこの花火業者が上げているのか尋ねてみると長野のアルプル煙火による打ち揚げと聞いて驚いたことがあった。 それから2年後、ついに東城の花火を見ることになった。 18時15分頃、東城に到着。 メイン会場は東城小学校のグラウンドだが、花火打ち揚げは東城中学校のグラウンドなので、まず中学校へ行ってみる。 打ち揚げ場所である中学校は小高い山にあるので、会場の雰囲気を入れて撮りたいが、 過去の経験上、打ち揚げより低い場所での撮影はろくな結果にならないので断念。 現地には長野ナンバーのトラックが止まっていたので本当にアルプス煙火による打上と確信。 まさか広島県内でアルプス煙火の花火が見れるとは思ってもみなかった。 現地調査を済ませた後、時間潰しにメイン会場である東城小学校に行ってみることにした。 そんなに広くないグラウンドだが、盆踊りの櫓を中心に商工会ブースや露店が出店され、 ステージにはアマチュアバンドの演奏なども行われていた。 ブースに新車が置いてあったが、何と車が当たる大抽選会もあるらしい。 車の他にもDVDプレーヤーなど豪華賞品が当たる大抽選会が開催されるが、 この山奥の小さな町にどこにそんな協賛金が集まるのか不思議に思った。 どこから撮影しようか地図を見ると運動公園に続く狭い道に気付き、その道を走ってみると中学校のグラウンドを見下ろす場所へ出てきた。 辺りを見回すと誰もおらず、本当にここへ立ち入って良いのかと思うほどの静けさが漂う中、 澄み切った空が広がり、目の前には広々とした陸上競技場。 東城の町並みもわずかだが眺められ、何よりとっても空気が美味しい。 このまま時間の流れを忘れてしまうくらい心地よい夏の夕暮れだった。 そうこうしているうちに、号砲が打ち上がり開花音がどこまでも鳴り響いた。 しばらくして人影がチラホラ。 地元の人だろうか、大勢の家族がシートを引いてバーベキュー大会。 こんな場所でしていいのかどうかは疑問だが、やってる本人達はとても開放感あって楽しそう。 その風景を眺めるのもまた喉かさを感じる。 暗くなるに連れてボチボチと人がやってきたがもちろん混雑することはなく、ゴザを引いてごろ寝しながらでも見れる状態。 カメラマン夫婦でやってきて時間潰しに会話を楽しむ。 バーベキューを楽しんでいた一家が、花火が揚がらないと騒いでいたので、21時からだと伝えたが、 20時からだと思っていたらしく、本当に地元の人なんだろうか?(笑) 暗くなると揚がるだろう、とのんびりしたところもまた田舎ならではの良さかもしれない。 小学校グラウンド会場では抽選会が行われているようで、かなり盛り上がっている様子だが、 フランスの新車が当たるのだから盛り上がらない訳がない。 何故に小さな夏祭りの景品に新車が当たるのかと不思議に思ったら、福山市にある外車専門店が協賛していることがチラシを見て判明した。 21時00分、花火打ち揚げ。 まったく期待を裏切らない素晴らしい内容で、星の引き、開花音、飽きさせない型物、 もちろん広島では珍しい花火もたくさん打ち上がり、本当に1500発だったのか?というような贅沢な思いをさせてもらった。 こんなに美しい花火なのに、まったく知名度無し。 情報化社会なのにも関わらずネットや雑誌にも載ってないので、集まるのは地元の人のみ。 東城の人達は、広島の山奥にいながら信州花火が見れるのだから羨ましすぎる。 そんな素晴らしい花火はあっという間に終わり、また1つ東城を好きになった夜でした。 |