写真館 二千年一夜

















































































山王寺の棚田
島根県大東町
2005年6月12日






日本の棚田百選に認定されている山王寺の棚田は、雲南市大東町の北東部標高300mの山腹に位置し、
面積19ha、棚田数約200枚を有し、36戸の農家により守られてきました。
毎年棚田祭りを開催し、青空市場で新鮮な野菜等を直売するなどの取り組みも始め、
棚田オーナー制度にも積極的に普及促進を図っている。
また、島根県無形文化財指定の神楽である山王寺神楽が伝承されており、地域の暮らしの中に豊かな伝統文化が根付いている。

枚数/200枚
水源/天水・ため池
法面/土羽
開発紀元/近世(戦国〜江戸)


〜goodtimeの追想〜

海上保安学校にて花火撮影終了後、呉から三次に向けて一気に北へ走る。
布野村の道の駅で3時間ほど仮眠した後、再び山王寺の棚田へ向かう。
時間が経つにつれて空が真っ赤に染まっているのを見て、仮眠するんじゃなかったと6月の朝の早さに痛感。
事前調査ではかなり山奥にあるとのことなので、無事着くか心配したが、ありがたいことに所々案内板があったので、
5時15分、山王寺地の棚田に到着。
目の前には雲海が広がっており、棚田と雲海という何とも贅沢な光景が広がっていた。
空はすっかり明るくなっているが、太陽は山に隠れているので、急いで機材をセットして撮影開始。
田植えは随分前に終わってるみたいで水面は目立たなかったが、
今の季節ならではの緑の美しさを感じさせてもらった。
農家の朝も早く、涼しいうちに農作業の準備をしており、
撮影しているときに近寄ってきて、遥か遠い山を指さし、「あれが大山だよ」と教えてくれた。
そうかぁ、あれが大山かぁ・・・え!?
大山って30キロ以上は離れているはずなのに、ここから大山が見えるの?
空気が透き通って運良く遥か遠い大山が見えたのだろうか。
地元の人でも滅多に見れないと言っていたが、近くにあるお墓は大山の見える位置に立てていたので、
ご先祖様は間違いなく大山を意識して立てている。
ここの棚田は歴史が古いので、きっと大山は神の山として信仰があったのかもしれない。
そんな神秘的な風景に触れることが出来たのはまさに奇跡だった。
大山も次第に霞みかかって見えなくなり撮影終了後、
機材を片付けながら大山に向けて思わず「ありがとう」と心の中でつぶやいた。

山王寺の棚田には、本郷、和野の2箇所に綺麗な展望台があり
本郷からは大山が見え、和野は段々になっている姿が見えてどちらも個性があるが、
やっぱり本郷からの眺めが素晴らしい。
棚田見学のために整備しているのは嬉しいことである。
生憎、晴れていた空もすぐ雲が広がりシャッターを切る回数は少なかった。
今日の予定はそんなに詰めておらず、ここまで少し無理のある行動を取ったこともあるので、
青空待ちを兼ねて少し仮眠を取る事にした。
窓を開けると鳥のさえずりが聞こえて気持ち良い風が車内を吹き抜けていった。







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