写真館 二千年一夜







































世善桜(御獄)
愛媛県小田町
2005年4月10日






この地を治めていた大野朝直が吉野の金峰山から苗を持ち帰り、
良い世の中でありますようにと願いを込めて「世善桜」と名付けたと伝えられており、県内で最高樹齢の桜とみられる。
世善桜は、北地と御獄地区にあるが北地の桜は2003年2月に倒壊しており、
現在、二世が樹高11mほど成長している。
御獄の桜もアリに食い荒らされ、樹皮の腐食が進むなどして弱ってきている。
「世善桜」の子孫を増やし、集落を“桜の里”にしようと、地元の人々が接ぎ木での苗木育成に取り組んでいる。


〜goodtimeの追想〜


〜北地編〜
10時20分、露峰からさらに国道380号線を西へ走って小田町へ向かう。
次の目的地である世善桜の正確な場所を知らないので、とりあえず人に聞きながら上川地区へ向かう。
国道380号線から県道211号線を東へ走る。
世善桜の案内板はあったが桜らしき桜は見当たらず、どちらかというと山に咲いてる桜の方が見事なので見間違えてしまう。
本当にあるのか半信半疑な思いで近づいてみると、何やら墓石らしきものが立っている。
文字には、「2003年、130cmの積雪で折木した」と刻んであった。
約500年もの長い年月、北地地区を見守り続けたことを感謝して建てたのだろうか。
墓石の隣には幹だけが残っていた。
世善桜の名前には、「よい世の中でありますように」という願いが込められているらしいが、
そんな桜が積雪で力尽きたのは、この異常気象と何か繋がりがあるような気がしてならなかった。




〜御獄編〜
同じ上川地区にはもう1つ世善桜があるので、そちらへ向かうことにした。
再度案内板に戻って、今度は狭い林道へ入る。
この場所は、ネットに載っていたのである程度の悪路は覚悟していたが砂利道になってから車体の低い普通車では擦ってしまうほど道が陥没していたので、
これ以上、前に進むことは出来なかった。
距離的に30分あれば着くだろう。
そう思いながら悪路を歩いていると、向かい側から車の音が聞こえてきた。
こんな所を歩いている人があまりにも珍しかったのか運転手のおじさんが声を掛けてきた。
世善桜を見にきた、と言ったら、わざわざUターンしてまで現地まで乗せてくれた。
ガタゴト揺れる車の中、ここ数年の山の酷さは異常で、木材の質の悪さはおろか、シイタケ、タケノコもさっぱりらしい。
去年の台風と今年の雪の多さは、農業や林業を営む人にとっては大きな痛手となっていた。
やっぱり温暖化が原因なのだろうか・・・
先ほど、積雪で折れた世善桜が力尽きたのが物語ってるように思えた。
3日前までは全然咲いてないからまだまだ先だ〜とおじさんは言っていたが、世善桜は綺麗な花びらを付けていた。
しかし、幹の空洞化は激しく倒壊は時間の問題かもしれない。
帰りも乗せて帰ってもらうつもりだったが、早々と帰っていったため、約20分の悪路を歩いて車まで戻った。






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