写真館 二千年一夜









































































































虫明湾
岡山県邑久町
2005年2月12日






岡山南東部にある邑久町はカキ養殖が盛んで
虫明湾から錦海湾にかけてたくさんのカキ筏が浮かんでいる。
虫明の景勝は平安時代から風流人の間に広く知れわたり、
玉葉和歌集では平忠盛(清盛の父)が
「虫明の迫門の曙見る折ぞ都のことも忘られにけり」と詠まれている。
虫明から見る朝日を「迫門の曙」といわれている。


〜goodtimeの追想〜

念願だった虫明湾の日の出撮影に初挑戦したものの見事に不完全燃焼に終わった昨日、
実はその後、海岸沿いで再度現地調査をしていた。
海に広がるカキ筏は山の上から見た方が面白いと思っていたが、
意外と下から見るのも風情があって面白かったので明日再び来ようと計画を立てた。
尾道から2時間で着くことがわかったので昨日より遅く家を出てちょっと余裕を見せる。
同じ道を二早朝連続で走ることなんて無かったので、
土曜日よりも日曜日の方がトラックの数が少なく走り易いのは新たな発見だった。
そのお陰で昨日より遅く家を出て、早く現地に着いた。
今日は予定通り、海岸からの撮影するため狭い道を走って墓地の空き地に車を止め、
ここから15分ほど真っ暗な夜道を歩く。
近くまで行けないこともないが危ないので歩いたほうが無難ではあるが、
暗い夜道、竹やぶのざわめく音、鳥の鳴き声など何とも不気味でとてもじゃないが、
女性の一人歩きは避けた方が良いだろう。
撮影ポイントに到着して機材をセットしていると軽自動車がやってきた。
誰も来ないだろうと思っていただけにまさかここまで車で来たことに驚きである。
一歩間違えると海に転落してしまうような狭く危険な道なのに、
悠々とここまで来るとはきっと地元の常連カメラマンに違いない。
機材をセットしてファインダーを覗いてみると、
海が近いだけにカキ筏が浮かぶ瀬戸内海の姿に迫力を感じられる。
同じ風景でも山の上と下とではこうも違うものなんだろうか。
撮影終了後、しばらく虫明湾を眺めていると磯の香りが漂い、
耳を澄ますと波の音と漁船のエンジン音が聞こえ、
何だか疲れも忘れるくらい喉かな時間が流れていた。

偶然訪れた虫明湾の海岸沿いの撮影ポイント。
実はここはダルマ朝日が撮影出来る地元では有名な撮影ポイントであった。
それに気付くのは数年先のことで、ダルマ朝日を追いかけて何度も足を運ぶこととなる。





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