写真館 二千年一夜


          


忘年熱海海上花火大会
静岡県熱海市
2003年12月23日





昭和24年の台風、翌年の火災と度重なる災害により街の復興を報いて昭和27年に花火を打ち上げるたのが始まり。
以来、その伝統が引き継がれ、現在では春夏秋冬と年中問わず花火大会が開催されている。
打上会場である熱海湾は、3面を山に囲まれた「すり鉢」状の地形のため、
海で上げる花火の音が反響し、 大きなスタジアムのような音響効果がある。
フィナーレの大空中ナイアガラは圧巻。


〜goodtimeの追想〜

思えば1年前、3尺を見るために、12時間かけて伊東市まで行ったが暴風雨で中止となり
相変わらず静岡県とは相性が悪いのだが、今日は珍しく天気が良さそうで安心して熱海へ向かう。
尾道から熱海まで移り変わる車窓の景色、蒲郡、安倍川、袋井・・・
今年は本当によくいろんなところに行った。
台風直後に見た大井川は濁流で渦を巻いていたが今日の大井川は本当に静か。
花火会場だった袋井も今日はサッカーの試合をしている。
あの時と同じように袋井の空は真っ青。
こんな調子で熱海も晴れてくれると嬉しいのだが。
静岡が近づくと思わず驚くものが飛び込んで来た。
頂上が白く染まった富士山だった。
今まで一度だけ富士山を見たことがあったが、その時は冬ではなかったので雪が積もってなかった。
今日は空気も澄んでいたのではっきりと富士山が見える。
それにしてもあんなに綺麗なものだとは想像を遥かに超えていた。
ずっと見ていても見飽きることがない。
まるで小学生のように富士山が見えなくなるまでずっと見ていた。
写真家が取憑かれるのも無理は無い。
1年振りの熱海、坂道を下って海岸に出ると熱海サンビーチに出てきた。
綺麗な夕焼け空、波の音と夕焼け空と心地よい風。
今日は不気味なくらいに暖かい。

打上げまで3時間前、撮影場所を検討するため海岸沿いを歩いた。
正面から臨むのならばどこかの旅館で1泊が理想だがそんな贅沢が出来るはずがない。
小高い山に熱海城がある。
あそこから見下ろせば熱海の夜景が綺麗なんだろうけど、
バブル全盛期に比べると廃業した旅館やホテルがあるので随分変わってしまったのかもしれない。
花火大会を土曜日に開催すれば人も多く集まって温泉街も繁盛すると思われるが、
不思議と日曜日や祝日開催が多いのは何故なのだろうか。
せっかくなので熱海城へ登ろうと思ったらロープウェーが17時30分で営業終了になっていたので断念。

撮影場所は公園から正面で見たい気持ちもあったが、
夜景に拘りたかったのでフェリー乗り場附近から撮影することにした。
定刻時間の20時20分。
カウントダウンで打上げ開始。
イケブン花火ならではの癒される色を使う当たりが上手い。
新作花火で1度見たことある回転リングも上がった。
思った以上に上空に打ち上がり、標準レンズでは入りきらないので咄嗟に広角レンズを装着。
真下で見る花火は時よりシャッターを切るのを忘れてしまいそうで、
長い時間かけて訪れた場所なだけに感動も一際大きく、打ち上がってる瞬間がいつまでも続いて欲しいと思った。





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